秘密が私を守ってくれる。それは私が弱いからかもしれない。誰になんと思われようと関係ないと思いきれない弱さのせいかもしれない。

人の感想に汚されていないものだけが本当の秘密基地だ。そのくらい他人の目や感情が私にとって確固たるモノであって、存在感を放つからだろう。その人の感情が入ってくる。同化する。私のものであることとその人のものであることの、区別がつかなくなってくる。

知られていることは時に私にとって、汚されていることと同じだ。私だけのものでなければ私のものでないことがある。

こんなにも他人にどう思われるかに弱いことは理想の自分とは真逆だから悲しいとも思う。

誰に対してもそれぞれ秘密を持っていないと、その人から隠れて身を休めることができなくなる。その人とずっと一緒にいることになる。無意識に、その人に最適化した自分、もしくは飲み込まれないように武装した自分でしかいられなくなる。自分の感覚が危うくなる。その人から完全に隠れたところで初めて、自分は今頭からつま先まで100パーセント自分だけの感覚だとわかり、ほっとする。